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舌下減感作療法、2週目(8日目)に突入
先週から、スギ花粉の舌下減感作療法を始めています。(前回はこちら)
どうしてもスギ花粉症を治したい一念から、マジメに毎日1回、スギ花粉エキス(シダトレン)をベロの下に滴下しています。
最初の2週間は「増量期」で、毎日、倍々くらいのペースで花粉エキスの量が増えていきます。
今日から2週間目に入ったたので、200JAU/mlから2000JAU/mlの10倍濃度のボトルに変わります。
先ほど滴下しましたが、特に症状も出ず。
1週目の最初の3,4日は、滴下後に目の周りがボーっとする感じや、目やにが出てきた感がありましたが、その後は特に体調の変化は見られなくなりました。
その体調の変化も、「そんな気がする」って程度で、シダトレンが原因なのかどうかも自信がないくらいのものです。
シダトレンについて 2
いったい、どれくらいの量のスギ花粉を体内に注入しているのか、考えてみました。
最初の2週間は増量期で、シダトレンを以下の量で滴下するよう指示されています。
最初の1週間目
日数 | 1日目 | 2日目 | 3日目 | 4日目 | 5日目 | 6日目 | 7日目 |
滴下量(プッシュ数) | 1 | 1 | 2 | 2 | 3 | 4 | 5 |
薬の濃度(JAU/ml) | 200 | 200 | 200 | 200 | 200 | 200 | 200 |
2週間目
日数 | 8日目 | 9日目 | 10日目 | 11日目 | 12日目 | 13日目 | 14日目 |
滴下量(プッシュ数) | 1 | 1 | 2 | 2 | 3 | 4 | 5 |
薬の濃度(JAU/ml) | 2000 | 2000 | 2000 | 2000 | 2000 | 2000 | 2000 |
シダトレン 1プッシュの量を測った。
1プッシュが微量なので、10プッシュして重量を量ってみます。
10プッシュで1.2gでしたので、1プッシュ=0.12gです。
水より密度は高そうですが、体積を量るのが面倒なので、今回は水と同じ 1g=1ml と見なします。
つまり、1プッシュ=0.12ml。
※11/9訂正:0.24mlでした。
10回プッシュする間、ボトルを傾けていてきちんと出ていないのが数回あったようです。きちんとボトルを垂直に立てて再度量ったところ、10回プッシュで2.4gでした。
なので、以降、2.4gで再計算した値に修正しています。
※11/9訂正その2:鳥居薬品公式サイト情報では1プッシュ0.2ml
鳥居薬品の公式サイトのシダトレンの「用法・容量」の解説の中で、1日目は200JAU/mlで0.2ml、14日目は2000JAU/mlで1mlと記載があります。
つまり、1プッシュ0.2mlと見なして薬を作っていると思います。
シダトレンの密度が水より大きい(1.2倍?)のか、測定誤差か、よくわかりませんが、この記事の結論には大きく影響しませんので記事はそのままにしています。
JAU/mlって、どんな量?
鳥居薬品のページに定義がありました。
[JAU/mL]
アレルギー患者の皮膚試験に基づき日本アレルギー学会により設定された国内独自のアレルゲン活性単位(Japanese Allergy Units/mL)であり、スギ花粉エキスにおいてはCryj1が7.3~21μg/mL含まれるエキスを10,000JAU/mLと表示できる1)。[Cryj1]
スギ花粉中に存在する主要アレルゲンの一つであり、ヒト皮膚反応活性と相関することが報告されている2)。
Cry j1というアレルゲン物質が、7.3~21μg/ml含まれているのが、10,000JAU/mlだそうです。わかりづらい。だいたい、なんで数値が範囲になってんだ。めんどくさい。
「Cry j1」ってなんだ? と思って調べてみると、日本のスギ花粉の中にあるアレルゲン物質と考えられているタンパク質だそうです。花粉表面にあるんだそうです。
「Cry j2」というのもあって、これは花粉の内部にあるタンパク質だそうで、Cry j1とは別物です。
つまり、シダトレンにはCry j1しか入っていないので、Cry j2だけに反応する人(が、いたとしたら)には効かない薬なのかもしれません。
ちなみに、
- ml : ミリリットル : 千分の1リットル
- μg : マイクログラム : 百万分の1グラム
- ng : ナノグラム : 十億分の1グラム
です。
シダトレン1プッシュに含まれる、アレルゲン物質Cry j1の量
シダトレン1プッシュに含まれるCry j1の量を求めます。
以下の2種類の濃度のシダトレン1mlあたりに含まれるCry j1の量は、10000JAU/mlで7.3~21μg/mlなので、
- シダトレン(1週目:200JAU/ml): 0.146~0.42μg/ml
- シダトレン(2週目:2000JAU/ml): 1.46~4.2μg/ml
です。で、1プッシュ=0.24mlなので、1プッシュに含まれるCry j1の量は、
- シダトレン(1週目:200JAU/ml)・1プッシュ : 0.03504~0.1008μg
- シダトレン(2週目:2000JAU/ml)・1プッシュ : 0.3504~1.008μg
つまり、増量期の初日と最終日での、Cry j1滴下量は、
- 1日目(200JAU/mlを1プッシュ) : 0.03504~0.1008μg
- 14日目(2000JAU/mlを5プッシュ) : 1.752~5.04μg
ということです。当たり前ですが、50倍になっていますね。
増量後に毎日滴下する「Cry j1 1.752~5.04μg」 は、どういう量なのか
増量期(最初の2週間)後は、増量最終日と同じ量を毎日滴下します。この場合、前の計算では、毎日毎日、Cry j1を1.7~5μg滴下していくことになります。
これは一体どういう量なのかを考えました。
空中を舞うスギ花粉に含まれるアレルゲンCry j1の量は個体差があるそうで、Cry j1で10倍、Cry j2で400倍も違うんだそうです。なので、平均値でいきます。
Cry j1は、花粉1gあたり、300μg~500μgくらいとのこと。参考資料によると、関東のスギは約500μgとあったので、便宜のため花粉1gあたり、Cry j1 500μgとします。
※この論文を参考にさせていただきました「スギにおける花粉アレルゲンの遺伝的変異に関する研究」
序論には過去のスギ花粉の研究の経緯などが簡単に書かれていて、それはそれで興味深いです。
つまり、シダトレン14日目(2000JAU/ml 5プッシュ)に含まれるCry j1は、スギ花粉3.504~10.08μg分の量に相当します。
スギ花粉は1粒が12ng(ナノグラム)らしい(参考:林野庁ページ)ので、これで割ると、シダトレン14日目分に含まれるCry j1は、スギ花粉292個~840個分、ということになります。
同様に初日分(200JAU/mlを1プッシュ)も計算できます。
まとめると、シダトレン増量期、体内に取り入れるアレルゲンCry j1は、
- 1日目(初日 200JAU/mlを1プッシュ) : スギ花粉6~17個分
- 14日目(最終日 2000JAU/mlを5プッシュ) : スギ花粉292~840個分
に相当する分量、ということのようです。
大気中に飛散する花粉の濃度は、普通の年で1㎥あたり数十個、多い年で数百個だそうですので、花粉シーズンの1㎥あたりの飛散量に相当する量を滴下しているって感じですね。
環境省のページによると、実験で測定したところ、マスクを付けた場合の鼻の中に溜まっていた花粉の数は537個、結膜内の花粉数は460個とのことでした(1日あたりなのかどうか不明ですが、多分1日でしょう)。
つまり、オーダー的にはシダトレンの1日滴下量と、花粉シーズンの1日取り込み量は同じくらい、ということでしょうか。
花粉の時期であるかどうか関係なしに、毎日毎日、3年以上、舌下から花粉シーズンと同じくらいのアレルゲンを取り込む、ということのようです。
早くからだが慣れてくれて、花粉症が治るといいな~。
以上、ヒマ人レポートでした。
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