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父の肺癌は縮小(発見から4ヶ月)。イレッサが効いている?

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肺癌発見から4ヶ月、病巣は小さくなっていた

今年の6月末のCT検査で、父親に肺腺癌(Ⅱb期)が見つかり、その後、月10日ペースで入院治療を続けていました。10月末に再度CT検査を受けて確認したところ、大変幸いなことに、病巣が小さくなっている様子が確認されました。

6月末と10月末の肺の断面比較。左側に見える病巣(右肺)が小さくなっているみたい。

6月末と10月末の肺の断面比較。肺の左側に見える病巣(右肺)が小さくなっているみたい。

主治医の意見は、小さくなっているので、治療を継続したいとのこと。

父親は主治医に全幅の信頼をおいており、その通りにしたいとのことでした。

 

4ヶ月間の治療経過

この間、どのような治療を行ったか記します。

  • 7/5 「親父の肺のCTに癌らしい影が見つかった!」→ 大騒ぎ
  • 7/12 肺癌の診断
    • 肺腺癌。病期でいうならⅡb期。
    • 肺活量がギリギリだし、過去にした別の手術のため、今回手術は困難。化学療法で。
    • 身体に副作用などの負担をかけない、少量抗癌剤治療を受けることに。使う薬剤、量は身体の様子を見ながら調整していくとのこと。毎月1回10日入院して治療していく。
  • 7/29~8/7 初回入院
    • 入院中、ナベルビン10を2回注射。(7日あけて2回。標準規定量の半分以下。)
    • 副作用、一切無し
    • 消炎剤、
  • 9/13~9/17 海外旅行(冥土の土産旅行)
    • ビールが美味しくないと感じた。
  • 9/19~28 2回目入院
    • ナベルビン10を7日おきに計2回注射。
    • イレッサを毎日1錠服用開始(9/20~)
      • 遺伝子検査で、EGFR遺伝子変異陽性とでたため、イレッサを試すことに。
      • その後、イレッサの副作用と思われる、発疹あり。
      • 退院後も自宅で服用継続。
    • 9/25に撮影した肺のレントゲン写真で、「影が薄くなっているみたい」との主治医の意見(?)あり。
  • 10/8 通院
    • 上半身に無数の発疹が出たこと、ビールが美味しくないと感じることを主治医に報告。
    • 肺のレントゲン撮影。イレッサ間質性肺炎の発生監視。
  • 10/15 通院
    • 発疹が消えないので、イレッサの服用中止
    • ビールの味覚異変は既に回復。
  • 10/22~10/31 3回目入院
    • ナベルビン10を2回注射。いつも通り。
    • イレッサは止めたまま。
    • 10/29 CTスキャン撮影
  • 11/5 通院
    • 入院の結果とCTスキャンの画像をもとに診断。
    • 病巣が小さくなっている(との診断)
    • イレッサを再開。1日1錠から、月水金に1錠の「半量」に。
  • 11/5~ イレッサ服用再開(月水金のみ)

 

何が効いているかはわからないが・・・

このCT2枚を撮った、4ヶ月間には、

  • ナベルビン10 6回注射
  • イレッサ 26日分
  • 海外旅行(すごく楽しい体験)

などなど、いろいろやっています。

何が効いて癌が小さくなったのかわかりません。とりあえず主治医はイレッサの効果と考えているらしく、それを継続することになっています。

主治医の治療方針はガイドラインの標準治療とはまったく関係なく、癌の進展を抑えるために、副作用の反応を見ながら効く薬とその適量を探っていくというものなので、QOLに関しては心配していません。

ただ、今思うのは、最初の3,4ヶ月くらいは何もせずに経過観察したほうがよかったかもと思っています。

何もせずに3,4ヶ月放置しその後にCTを撮って、病巣がどう変化したかを見定めれば、その後の治療に効果があったかどうかわかるわけですよね。

癌発見当時は、「すぐにでも治療を開始しないとヤバイ」感覚だったので、何もせず経過観察なんて思いつきませんでした。

父親は高齢だし、そもそも癌が成長してないなら、無治療という選択肢もあったかも知れません。

後の祭りだな~。

 

7/12 父の肺癌の診断結果:肺腺癌、TNM分類「Ⅱb」

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※当記事にある情報の最新版はこちらの固定ページに

診断結果 : 肺腺癌、TNM分類「Ⅱb」

7/12に父親に同行して病院に行き、説明の場に同席しました。他の兄弟も同席。母親は自宅待機。

診察結果と、情報収集を経た結果の質疑応答の結果は以下の通り。

診察結果の主旨:

  • 肺癌。陽性。右肺。
    (「細胞診」という言葉を使っていたかと)
  • 余命はわからない。
  • 肺癌の種類は腺癌。
  • 肺門リンパまで転移あり。肺門リンパと原発巣は一体化して塊になっている。
  • 遠いリンパへの転移はなし。(PET検査の結果)
  • 別器官へのへの転移なし。(PET検査の結果)
  • TNM分類で Ⅱb(敢えて聞いたら教えてくれた。つまり原発巣は5cm~7cmということ)
  • 癌によって気管が塞がれているということは、内視鏡検査で無いことを確認している。

治療の選択肢:

  1. 手術→困難
    • 完治の可能性がある唯一の手段
    • 30年前の食道癌の手術で動脈と癌が癒着している可能性が高く、右肺全摘出となる可能性があり、そうなると最低維持のための肺活量を満たせなくなり、通常の生活は送れなくなる。
    • 癒着しているかどうかは、胸を開いてみないとわからない。
  2. 化学療法(抗癌剤)
    • 化学療法では完治はしない。進展を抑えるだけ。
    • 手術ができない以上、放置していれば癌は進展するため、化学療法で抑える考え方。
  3. 放射線治療
    • 化学療法同様、完治はしない。進展を抑えるだけ。

2.を行うことが現実的、との主治医の意見。

主治医への質問と回答:

  • 手術ついて

    • 一度胸を開いて、癒着状況を見て、手術を進めるか、閉じるかをその場で判断することも可能か?
      • 可能。
      • 癒着の懸念箇所は他にもあり、強くは勧めない。
      • 手術の場合は○○病院の○○医師を紹介する。
      • セカンドオピニオンを聞く希望があれば紹介する。
  • 化学療法について

    • 「少量」の程度と他の病院の標準的な量(ガイドライン)との関係は?
      • 75歳以上の肺癌治療ガイドラインは無いので、各病院治療方針は医者の判断。
      • この病院では、ガイドラインによらない高齢者の少量抗癌剤の経験を積んでいて、その知見を生かして治療することになる。
      • 健康に生活を送れる期間をできるだけ長くすることを目指す。
      • 大学病院ではデータを採るための治療が多く、その場合は個人の容態に合わせた抗癌剤の量の調整はしにくい。
      • 大病院で患者が多い場合、特定個人の様子をみながらの量の調整などは現実的に難しくなる。(要は、この病院では個人の容態に合わせて調整すると言っている)
    • 具体的な治療による拘束期間は?
      • 10日入院、2回点滴。1ヶ月ごとにこれを繰り返し。入院が望ましいが必須ではない。
      • 「副反応」が出ない少量の抗癌剤で治療を続ける。
    • 死ぬ前にある場所に旅行に行くことが目標の一つ。これに支障がでるような副作用が出ることはないか?
      • 旅行に行けないほどの副反応が出るような治療は、しない。旅行は問題ない。
    • どうしても抗癌剤治療が辛い場合、途中で止めることはできるか?
      • 治療の実施、継続はあくまで本人の選択。治療しない、治療を止める選択肢は当然ある。
  • 無治療の生存期間の統計データについて

    • 治療を受けるかどうか判断するために、無治療での(5年生存率、生存期間中央値などの)統計データがあるとよいが、そういうものはないか?
      • 基本的に無い。
      • 測定するとしたら病院となるが、統計的に意味あるほどの大量の治療しない人のデータを採るのは、そもそも困難だから。治療しない人は病院に来なくなる。(そう言われればそうだ)
  • 研究レベルで癌に効果があるといわれる既存薬について

    • スルファサラジンが研究レベルで癌幹細胞に効果があるとされているが、そういう薬を出せるか、相談は可能か?
      • 相談可能。
  • CTデータ、PETデータのコピーが欲しい。

    • CT写真を貸すことは可能。
    • データのCD焼き込みは技術的に可能か確認が必要だが、できるなら構わない。
    • PETのデータはここにあるCDを貸すので、コピーしてもらって構わない。

診断結果を受けて

説明は、大変丁寧なものでした。こちらの疑問には全て言葉を尽くして説明をしていただきました。
父にも我々家族にも、誠実な姿勢で臨んでいただいたと感じました。

この病院は割と大きな病院ですが開業医で、医大病院などと比べれば規模は小さいです。
大病を患えば大病院に行きたがる世の風潮を考えると、できる限り患者個々の要望に応えるというのは大病院との差別化ポイントなのだろうと思います。

医者との会話を続けながら、この病院での抗癌剤治療を受けることに対して、明らかに疑問や不安が解消していくのが、父の表情を見ていてわかりました。

最初の父との申し合わせ通り、一旦は持ち帰って、後日決断を伝えることにしましたが、帰宅の車中で、ほぼ結論は出た雰囲気になりました。

  • 手術はしない。試しに開けることもしない。癒着がなく部分切除で計算上いけたとしても、何が起こるかわからないリスクは常にある。
  • 抗癌剤治療を受けたくない理由は、副作用によって健康的な生活を送れなくなるからだったが、その副作用が出ないことを目標に治療すると言っている。
  • 癌放置の場合の懸念は癌の進展だったが、治療を受ければこれを遅らせられる可能性がある。
  • 抗癌剤治療で「治癒はしない」とのことだった。治癒の可能性があるかも知れないスルファサラジンなどをダメ元で試してみたいと思っていたが、相談に乗れると言っている。

本当に副作用が出ないのか、自覚の無い副作用で健康を害することはないのか、癌の進展を遅らせる効果はあるのか、などなど、完全に懸念が無いわけではないけれども、まずは医者提案の化学療法を受けてみて、様子を見てみることにしました。

スルファサラジンとメトホルミンは、抗癌剤治療の前にしばらく飲んでみて、副作用などが出ないか様子を見たいところです。ここは次回医者と相談になります。

とりあえず、前進

とりあえず、意外と病状が進行していなかったことと、家族揃って結論に至ったことで、帰宅後は緊張の糸が切れたような、妙な開放感に包まれていました。

癌が無くなったわけではないのですけどね。

現状を把握し、方針が決まったので、まずはみんなで前に進むだけです。

今は別々に住んでそれぞれに家庭を持っている親兄弟が顔を合わせ、かつての家族の一体感・信頼感を確認することができました。

父も母も、嬉しそうにしているように見えました。

困難な中に幸せを見出した瞬間でした。

 

次回はこちら。 「父の肺癌は縮小(発見から4ヶ月)。イレッサが効いている?」

7/10頃 父の肺癌:情報収集(結果も記載)と話し合いの結果、「放置」する方向

前回はこちら

※当記事にある情報の最新版はこちらの固定ページにまとめています

7/2に父の肺癌がみつかり、数日後の父は「抗癌剤治療は受けたくない」

この記事を書いているのは7/20ですが、順を追って7/12以前のことを記しています。

癌が発見されてから、私自身は父の状況を次のように理解していました。

  • 父は既に80歳近くで、平均余命は8年強程度で、何もなくても残り時間は少ない
  • 数年前から肺活量が極端に落ちて、少しの歩行で息が上がるようになってきていた
  • 息が上がるのと同時期から、喘息薬を使うほど咳が増えていた。咳が数日続いただけで体力が減ったように見えていた
  • 先日の肺活量検査でも肺活量が1000cc程度しかなかった。医者から手術は厳しいと伝えられていた

根治のための手術は厳しいし、高齢なので体力が心配。
抗癌剤を使ったことで副作用で体力を奪われ、命を落としたという話を何度か聞いていたため、ただでさえ咳で体力が衰えているのに、抗癌剤治療も厳しいのではないかと考えていました。

こう考えていたところで、翌日に父に電話をして初めて話を聞いた時には、だいたいこんな感じのことを言っていました。

  1. すでに80歳ちかくまで生きた。30年前の食道癌で一度は捨てたと思っていた命。子ども達も心配ないし、いまから延命も何もないだろう。
  2. 抗癌剤治療で副作用に苦しみながら生きながらえるのは勘弁。残った時間を充実させたい
  3. でも、癌を治す方法があるなら治したい
  4. 末期に何が起こるかよくわからない。末期の痛みは不安

治せるものなら治したいが、抗癌剤治療しか選択肢がないなら、受けたくない、ということでした。

医者から化学療法と言われてその気になっていたらどうしようかと、少し心配していましたのでそれを聞いてほっとしました。

基本的に息子の前では「ええかっこしい」です。3と4は、よくよく聞きだしたらわかったことですが。

ただし、その選択をするためには、末期に何がおこって、どの程度のつらい思いをしなければならないか(しなくてよいか)を知る必要があるということです。

書籍とネットで情報収集したところ

以下の情報は、ブログを書いた当時のものです。最新情報はこちら

抗癌剤治療をした場合と何もしなかった場合の生存期間の統計値

ありませんでした。治療しないとどれくらい早く死ぬか、もしくは長生きするか、統計データはありません。

治療をせず放置した場合、病状が進むと何が起こるか

    • 前回紹介した書籍などによると、
      • 癌そのものが大きくなる
      • 脳や骨、周辺の臓器に転移する
      • 骨に転移すると痛みがある
      • 脳に転移すると脳を圧迫して様々な症状が出る
    • 各所に転移して、痛みを取ったり、放射線を当てて腫瘍を小さくしたりなど、いろいろと対処しないと健康的な生活はできなくなる可能性があるようです。
    • 「余命3ヶ月のウソ」によると、放置した場合の転移の痛みなどに対処するための「緩和ケア」は充実していて、「痛みは完全に抑えることができる」と断言されていました。
      それを望むなら、それをできる病院と医者を探す必要がありそうです。

抗癌剤の治療による副作用はどんなものがあるか。

    • 吐き気、嘔吐、発熱、血圧低下、食欲不振、下痢、便秘、口内炎、抜け毛、しびれ、等々。
      いわゆる普通に言う「体調不良」の症状のオンパレードという感じです。
      何でもあり、という感じで、読んだだけでは実感がわかない感じです。
    • 父の同年代の知り合いで今まさに抗癌剤治療を受けている方のお話では、とにかく「吐き気」がつらい、とおっしゃっていたそうです。それだけでも治療を受ける気がしないと。
    • 自覚症状のない副作用ももあるそうです。骨髄抑制(白血球減少、貧血、血小板減少)、肝障害、腎障害。詳しくは国立がんセンターのホームページに解説がありました。こちらの4章「抗がん剤治療の副作用について」
    • 副作用に対しては、対症療法の薬の投与が主な対策のようです。基本、薬漬けですね。

細胞と抗癌剤の関係

    • たまたま先日見ていた、NHKのクローズアップ現代「がん“根治”の時代は来るか~“がん幹細胞”研究最前線~」で、癌幹細胞のはたらきと、癌幹細胞に効くとされる薬の存在を伝えていました。
    • それによると、癌細胞は通常の癌細胞の元になる細胞で、これがなくならない限り癌は治らない。抗癌剤は通常の癌細胞には効くが、幹細胞には効きにくい。
      抗癌剤じゃ癌が治癒することは無いのではないか?と類推する内容でした。
    • 前述の国立がんセンターのHPでは、抗癌剤治療の目的に「治癒」が入っていましたので、相反するように見えます。

癌に効く可能性のある既存薬

※最新情報はこちら

既存の薬の中に、癌幹細胞に効果がありそうで、統計的にも有意に差があることがわかっているものがあります。動物実験での効果は確かめられているようです。
作用機序は少しはわかってきたようですが、効果の全てを説明するものかどうかはわかりません。

スルファサラジン

メトホルミン

NSAIDs

    • 非ステロイド性抗炎症薬。バファリンもこの中の一つだそうです。
    • 副作用として、NSAIDs潰瘍(胃潰瘍)。これで死ぬ人も多いらしいです。
    • バファリンを毎日飲む、というのが感覚的に抵抗があって、あんまりしらべていません^^;

肺癌治療のガイドライン

医者が参考にする肺癌の診断、治療のガイドラインだそうです。肺癌診療ガイドラインは2005年に策定され、その後ちょこちょこ改訂されているようです。
このサイトには改定時の差分情報が掲載されており、全部がでているはずの2005年版は厚労省の「Minds」というサイトで公開されている、としてリンクが張られています。
が、そこに行ってもガイドライン全文は見つけられませんでした。

このサイトの説明によると、NCCNはNational Comprehensive Cancer NetworkというNPOらしく、ここがまとめた、アメリカの医療事情に基づく肺癌(他の癌も)治療のガイドラインだそうです。
これを、(公財)先端医療振興財団 臨床研究情報センター( TRI )が作成・配信しているとのこと。
コンテンツは豊富で、結構参考になります。診断手順などはフローチャート化してあり、医者の判断基準を知るための参考になると思います。
肺癌だけでも、非小細胞、小細胞、胸膜中皮腫、腺癌の4つのガイドラインが掲載されています。

他に、癌を患い、治療に挑む先人たちや、医療関係者のブログなど、大変参考になるものが数多くありました。
このような情報を公開してくださり、感謝の限りです。

これらは、次回以降に機会を見て、紹介させていただきたいと思います。

これらの情報を元に父親と会話をした

とりあえず、集めた情報を携え、いろいろと時間をかけて父親と会話を交わしました。

最終的には診断を聞いて、医者と相談してから決めることになるが、現時点の考えとしては「放置」(治療は受けない)方向とのこと。

もともとの父の考えは変わらないということでした。

どちらかというと、持って行った情報は、父の考えを補強する材料になったようです。

 

次回は診断結果と、決断を。

7/5頃 7/12の診断結果を聞き、方針を決めることに

前回

7/12の診断結果説明に向けて情報収集開始

前回記したとおり、7/2に80歳近くになる父親の肺癌が見つかり、1週間後のPET検査を経て、7/12に最終的な診断結果を聞きに行くことになっていました。

私の住所地から実家は遠いのですが、診断結果と今後の対処方針案を聞き、どうするかを決めるという大事なタイミングだったので、実家に帰って病院に行く父親に同行することにしました。

診断の結果をを聞いたら、父親は選択をしなければなりません。

手術をするのか、治療をするのか、何もしないのか。治療はどんな治療があるのか、何もしない場合には何を備えなければならないのか。

80歳の平均余命は8年強。しかも、本人はまだまだ元気です。悔いのない選択をして欲しいと思います。

だいたい、肺癌がどんなものか知らない

だいたい、肺癌がどんな病気なのか、最近のスタンダードな治療はどんなものがあるのか、だいたいどれくらい生きていられるのか、などなど、知らないことだらけです。

父は30年前に食道癌が見つかり、外科手術で摘出し、その後は再発もなく健康に生きてきましたが、今は食道癌はあまり切らないんだそうですね。昔調べて知ったことと、今では随分違うようです。情報量も明らかに違います。

また、選択は自己責任ですから、後から医者のせいにしたってどうにもなりません。

診断で医者から提示される選択肢の意味するところを理解することと、医者の提示しない選択肢の有無を知らなければ、正しい選択はできないと思います。

医者だって人間ですし立場もありますから、医者から提示される選択肢が、父にとっての本当の意味での「全ての選択肢」である保証はありません。
また医者の示す選択肢を吟味するためにも、やはり情報と知識が必要です。

要は、医者から提示される情報のみで選択をしてしまえば、悔いを残すと思いました。

ということで、7/12の1週間後の診断結果を聞くまでに、できる限りの情報収集をすることとしました。

その後の一週間は怒濤のようでした。
(その後、診断を聞いて家に帰ってからは、私も父も他の兄弟も疲れがどっと出てバタンキューでした。)

とりあえず買った本から。

買った書籍

インターネットでの情報収集もさることながら、短期間で網羅的に情報を得るには書籍は欠かせないと思い、何冊かを購入しましたが、そのうち参考になったのは以下の2冊。

「肺がんの最新治療」

坪井正博 横浜市立大学付属市民総合医療センター准教授
主婦の友社

肺癌という病気そのものの基礎知識や、肺癌の標準的治療と最新治療を図解でわかりやすく説明した本です。150ページくらい。
各肺癌治療の意味、目的、メリット・デメリットを並べています。
短期間で広く浅く知ることができます。
肺癌業界の「共通語」を知るにもよい本だと思います。

ほかにも肺癌の種類(小細胞癌、腺癌など)やTNM分類(病状の進行区分)など、病気そのものについての情報もあります。

「余命3カ月」のウソ

近藤誠(もうすでに、有名な方ですね)

標準的な癌治療や医療体制の暗部の暴露や批判がメインです。
著者の経験による考え方が書かれていますので、必ずしも学問としての裏付けのある話ばかりではありませんが、意義ある本だと思います。学問の裏付けが無いからと言って、ウソだとは言えないからです。

原発事故に伴う放射能の危険度の議論と同じで、放射能による影響の裏付けデータがないからといって、安全とは言えません。そういうときは、「わからない」と言うべきであって「安全だ」というべきではありません。(無責任に安全だと言い切る人もいますが)

(何ごとにつけてもですが)書いてあることを鵜呑みにはできませんが、標準的治療や医療体系の良さばかりで無く、デメリットを知るための新たなきっかけを与えてくれる良書だと思います。
医者の話を聞くときの、何を聞くべきかの観点も豊富に与えてくれます。

医療業界や医薬品業界の暗部や、患者にとって悪い医者の行動パターンなども実体験をもとにリアルに書かれています。

ただし、書いてあることは医療に関わる組織や関係者への批判が多いので、これをを参考に医者に質問する場合には、聞く相手への敬意を忘れないようにしたいですね。

抗癌剤治療で苦労した知り合いを多く見ていて、抗癌剤治療をできれば避けたいと思っていた父親に、この本を見せたところ、「決断を後押ししてくれそうな本だ」と言っていました。

他にも何冊か買いましたが、結果的にはこの2冊がその後の情報収集の軸になった感じです。

読んでいて、診断時に医者への確認事項となるものは、その都度特定のテキストファイルにメモを残して集積するようにしました。

とりいそぎは、これを読みながら、ネット上の情報収集を継続することにしました。

私は本を読むのが遅いということもあり、1週間という短い期間で読む本としてはこの2冊はバランスもよかったように思います。

次回はネット上の情報収集を合わせた結果と、父親との会話で診断に望む姿勢をどう整理したかを書こうと思います。

次回